2006年3月17日、寝台特急<出雲>が最後の旅に出ます。
1972年に登場した寝台特急<出雲>は東京と出雲地方を結ぶ列車として利用されてきました。
特に出雲大社への旅客は多く最盛期には2往復が食堂車付きで運転されていました。
ここでは2006年3月に惜しまれつつ廃止となる<出雲>について取り上げます。
- 寝台特急<出雲>概要 -
運転区間  東京〜京都〜山陰本線〜出雲市
列車編成 24系25型客車8両編成+電源車(多客期は3両増結)
車両は尾久車両センター所属、田端車両センター常駐
牽引機 東京〜京都:EF65 1000番台(田端運転所所属)
京都〜出雲市:DD51(後藤総合車両所所属)
列車番号 東京→出雲市:3レ 出雲市→東京:4レ
- 沿 革 -
1947年 大阪〜大社間で準急列車が運行開始。 
1951年 準急から急行に格上げ。「いずも」の愛称がつく。
東京〜大阪間で<せと>との併結運転を開始し東京〜大社間の運転に。
1954年 大阪〜浜田間運転の列車を併結開始。
1956年 現在の名称、「出雲」に改称。
「せと」との併結運転を取りやめ東京〜大社間単独運転に。
1961年  大阪、福知山線経由から山陰本線経由へ運転線路変更。
1972年3月15日 東京〜浜田間の特急に格上げ。
1975年3月10日 20系客車を使用し寝台特急<出雲>が誕生。 
 編成を24系化。東京〜米子間に姉妹列車<いなば>が登場。
1976年10月 24系25型化。定員減により寝台券入手困難な人気列車に。
1978年10月 <いなば>の運転区間を東京〜出雲市とし、<出雲2・3号>に改称。
東京〜浜田間運転の<出雲>は<出雲1・4号>に。
1988年4月1日 国鉄民営化。
1・4号をJR東日本直轄の24系、2・3号をJR西日本直轄の14系で運行。 
1991年 2・3号にA個室寝台、B個室寝台の連結開始。
1・4号の食堂車営業終了。以後はフリースペースとして活用。
1998年7月10日 JR西日本伯備線経由で285系<サンライズ出雲>運行開始。
これに伴いJR西日本直轄の<出雲2・3号>廃止。
1・4号は出雲市〜浜田間の運転を終了。東京〜出雲市間運転へ。
2006年3月17日 最終列車運転。廃止へ。
2006年3月18日 ダイヤ改正実施。
<サンライズ瀬戸・出雲>が上郡駅に停車することとなり、
<サンライズリレー号>(鳥取〜岡山間運転)と接続する新ダイヤへ移行。
- <出雲>写真館 -
☆☆☆ 走行写真 ☆☆☆
真っ赤なDD51に牽かれる寝台特急<出雲>
撮影地:山陰本線 出雲市〜西出雲  撮影日:2006.2.19
吹雪のなか出雲市を目指す寝台特急<出雲>
撮影地:山陰本線 倉吉〜下北条 撮影日:2006.2.12
これからの東京〜山陰輸送を担う<サンライズ出雲>
撮影地:山陰本線 出雲市〜西出雲  撮影日:2006.2.19
☆☆☆ 駅撮り写真 ☆☆☆
年末年始の帰省輸送のため増結された<出雲>
撮影地:横浜駅  撮影日:2005.12.28
牽引機のEF65-1111
撮影地:横浜駅  撮影日:2005.12.28
牽引機のつけかえを行う米子駅で発車を待つ<出雲>
撮影地:山陰本線 米子駅  撮影日:2006.2.19
フリースペースとして連結されている食堂車オシ24
撮影地:出雲車両区  撮影日:2006.2.19
☆☆☆ 米子駅での牽引機つけかえ風景 ☆☆☆
京都〜出雲市を牽引するDD51は後藤総合車両所所属となっているため、
牽引機DD51の車両整備は米子駅に隣接する車両区で行われます。
そのため終点の出雲市(出雲車両支部)ではなく米子駅で牽引機の付け替えが行われます。

例えば18日に米子で付け替えられたDD51は東京行4レを牽引し、19日未明に京都着。
京都到着後、EF65に4レを引き渡し、切り離された後、今度は3レに連結されます。
京都から出雲市行3レを牽引し、19日に米子を通り過ぎ出雲市へ。
出雲車両区で清掃を受け、4レとして19日の夕方に出雲市を発車。
米子に到着し切り離され、ここで仕事は終了。車内整備を受けます。
ここからは新たな牽引機が連結され、京都へ向かい…というサイクルを繰り返します。
まずは昨日、ここで連結されたDD51-1187が出雲市より到着
客車から切り離されます
牽引機は引き上げ客車だけが残り…
京都までの牽引機DD51- 1186が連結されます。
これは翌日、出雲市から4レを牽引して米子駅に到着する牽引機となります。
こうして発車態勢が整った<出雲>は東京目指して発車していきます。
− 最後に −
またひとつ寝台特急が姿を消すことになりました。
寝台券が幻のプラチナチケットといわれた時代は遥か昔のこととなり、
寝台特急は衰退の一途を辿っています。
これも時代の変化であり仕方がないのかもしれませんが、
できれば非日常を味わえる寝台特急を利用して旅に出てもらいたいものですね。
ありがとう そしてさよなら 寝台特急<出雲>…

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