2009年3月13日、唯一の九州ブルトレ<富士><はやぶさ>が最後の旅に出ます。
日本初の愛称付き特急列車の<富士>、日本最長距離をゆく<はやぶさ>。
この2つの名列車は2005年より唯一の、そして最後の九州ブルトレとして
併結運転ではありながらも、伝統の九州特急として活躍を続けてきました。
しかし、18時間にも及ぶ所要時間や車両の陳腐化、車内サービスの低下、
また、東海道山陽新幹線の大幅増発、格安きっぷの発売などにより、利用者の数は激減。
乗車率は30%程度と低迷が続き、ついに九州特急は役目を終えることになりました。
ここでは2009年3月に惜しまれつつ廃止となる<富士><はやぶさ>について取り上げます。
- 寝台特急<富士><はやぶさ>概要 -
運転区間 東京〜東海道山陽本線〜日豊本線〜大分 (富士)
東京〜東海道山陽本線〜鹿児島本線〜熊本 (はやぶさ)
列車編成 14系15形(6両編成)×2列車
牽引機 東京〜下関:EF66形電気機関車(JR西日本 下関車両管理室所属)
下関〜門司:EF81形電気機関車(JR九州 大分車両センター所属)
門司〜大分・熊本:ED76形電気機関車(JR九州 大分車両センター所属)
列車番号 東京→大分:1レ   大分→東京:2レ
<はやぶさ>は門司→熊本:41レ、熊本→門司:42レ
- 寝台特急<富士>沿革 -
1964年10月1日 寝台特急<みずほ>の大分駅発着編成を分離独立させ、
<富士>の名称を与えたうえで、東京〜大分の運転を開始(20系使用)
1965年10月 運転区間を西鹿児島(現・鹿児島中央)まで延長
東京〜西鹿児島(1574.2km日豊経由)を走破する日本最長旅客列車に
1975年3月10日 山陽新幹線博多開業により捻出された24系24形に置き換え
1976年10月 使用車両を24系25形に変更 B寝台車も2段寝台となった
1980年10月1日 利用者減のため運転区間を宮崎までに短縮
1985年3月 本州内の牽引機をEF65からEF66へ変更
同時にヘッドマークも円形のものから山型のものへ変更された
1986年3月 4人用B寝台個室カルテットの連結を開始
1986年11月1日 カルテットは<あさかぜ>へ充当され、<富士>へはロビーカー連結開始
1989年3月 1人用B個室寝台ソロ連結開始
1990年3月 運転区間を宮崎駅から南宮崎駅へ1駅延長
1993年3月 食堂車の営業を終了(車両自体は1997年までフリースペースとして連結)
1997年11月 運転区間を大分駅へ短縮 現在同様の東京〜大分の運転に
1999年12月4日 東京口寝台特急大幅整理により使用車両変更
<はやぶさ><さくら>併結列車と共通の車両を使用することとなり、
24系25形9両(うち1両は電源車カニ)+14系15形6両の15両編成に
2002年3月23日 <はやぶさ>2両減車、<さくら>1両減車で、<富士>は12両編成に
2005年3月13日 <さくら>廃止に伴い、<富士><はやぶさ>の併結運転を開始
使用車両は14系15形6両編成となり、ロビーカーの連結も終了
2009年3月13日 <富士><はやぶさ>最終列車運転、廃止へ
<富士>という愛称は80年近くの歴史に幕を閉じる
- 寝台特急<はやぶさ>沿革 -
1958年10月1日 東京〜鹿児島で運行していた夜行急行<さつま>を格上げして誕生
1960年7月20日 <はやぶさ>に20系客車導入 運転区間も東京〜西鹿児島へ
1968年10月1日 博多で増解結していた付属編成を長崎駅へ延長運転
1975年3月10日 車両を24系24形へ変更 付属編成の長崎乗り入れを取りやめ
1976年9月27日 使用車両を24系25形へ変更
1人用A個室寝台(1986年よりシングルデラックスの呼称)連結開始
1980年10月1日 <富士>の運転区間が東京〜宮崎に短縮されたことにより、
東京〜西鹿児島運転<はやぶさ>は再び日本最長距離運行列車となる
1985年3月14日 ロビーカーの連結を開始 同時に牽引機をEF65からEF66へ変更
1993年3月17日 食堂車の営業を終了(車両自体は1997年までフリースペースとして連結)
1997年11月29日 運転区間を現行の東京〜熊本に短縮 最長列車の座は<さくら>に譲る
1999年12月4日 東京〜鳥栖で長崎への<さくら>と併結運転を開始
2002年3月23日 <はやぶさ>2両減車、<さくら>1両減車で、併結運転時12両編成に
2005年3月1日 <さくら>廃止に伴い、併結相手を<富士>へと変更
同時に使用車両を14系15形とし、ロビーカーの連結を終了
2009年3月13日 <富士><はやぶさ>最終列車運転、廃止へ
- 列車編成 -
← 熊本大分          下り1レ(大分・熊本行)              東 京 →
1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 9号車 10号車 11号車 12号車
B A1 B1 B B B B A1 B1 B B B
〜 はやぶさ 〜 〜 富 士 〜

← 熊本大分             上り2レ(東京行)               東 京 →
1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 9号車 10号車 11号車 12号車
B A1 B1 B B B B A1 B1 B B B
〜 富 士 〜 〜 はやぶさ 〜

A1=1人用A寝台個室シングルデラックス  B1=1人用B寝台個室ソロ

← 熊本大分                                      東 京 →
1号車
(7号車)
2号車
(8号車)
3号車
(9号車)
4号車
(10号車)
5号車
(11号車)
6号車
(12号車)
スハネフ14形 オロネ15形
3000番台
オハネ15形
2000番台
オハネ15形 オハネ15形 スハネフ14形
熊本鉄道事業部熊本鉄道車両センター

- <富士><はやぶさ>写真館 -
終点東京向けてラストスパート 力強いEF66の力走
撮影地:東海道線 藤沢〜大船  撮影日:2009.1.5
東京駅で発車を待つ1レ<富士><はやぶさ>
撮影地:東京駅   撮影日:2009.2.26
名古屋駅に到着した<富士><はやぶさ> まだ旅程の1/3にも達していない
撮影地:名古屋駅  撮影日:2009.1.4
深夜の大阪駅で最後の旅客扱いを行う<富士><はやぶさ>
撮影地:大阪駅  撮影日:2006.8.6
- <富士>写真館 -
九州内では山型の単独ヘッドマークをつける寝台特急<富士>
撮影地:日豊本線 天津〜豊前善光寺  撮影日:2009.2.25
九州の有名撮影地をゆく
撮影地:日豊本線 大神〜杵築  撮影日:2009.2.24
牽引機は大分車両センター所属のED76
撮影地:大分駅  撮影日:2009.2.24
富士山をかたどったヘッドマークは印象的だった
撮影地:大分駅  撮影日:2009.2.24
廃止まであと3週間 シャッターを切るファンは多かった
撮影地:大分駅  撮影日:2009.2.24
- <はやぶさ>写真館 -
熊本を発車した<はやぶさ> このさき18時間あまりの旅程
撮影地:鹿児島本線 植木〜田原坂  撮影日:2009.2.23
1317.9kmの旅路を経て熊本駅に到着した<はやぶさ>
当時の熊本駅はまだ九州新幹線関連の工事が始まっていない
撮影地:熊本駅   撮影日:2005.8.7
九州内だけ掲げられる単独ヘッドマーク
撮影地:熊本駅   撮影日:2005.8.7

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